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中高生のころ漠然と不安だったのは、自分が社会人になれるだろうか? ということでした。大学を出て数年勤めたあと、仕事が嫌になってほとんど無職になったことがございました。その頃と比べても社会状況は悪くなっていて、特に会社や企業が新人を育てようという時代ではなくなりました。 |
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おのずと就職に対する意欲は失われ、フリーターが増えることになります。このままでは、数年後に半分以上の若者がフリーターになるという予測もあります。働かずに楽しく生きられたらそんな幸せなこともありませんが、いわゆる髪結いの亭主とうのもそれほど楽しいことではありません。自分が一時期そうだったので、はっきり断言できるのです。目標のない、やるべきことのない日々ほどつまらぬものはございません。 |
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オードリー・ヘップバーン主演『麗しのサブリナ』で、お抱え運転手である父がその仕事を選んだのは「好きな本が読みたかったから」というのを観て、強く印象に残ったことがあります。以前ロンドンの骨董市でのこと、若者が一種類だけのアイテムを揃え、小さなコーナーで本を読みながら客を待っています。その姿を見て、日本もその内こうなるのではないかと思いました。ちっとも焦ってはいないのでございます。 |
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その日暮らしのフリーターを目的もなく続けると、充実した未来はございません。夢を持つこと、自分なりの目標を持つこと、それなりのプライドを持って生活できるのなら焦ることはありません。こんな時代だからこそ、フリーターをしても悠々と自分の好きなことをして生きられるのなら、それでいいんじゃないでしょうか。 |
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