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20再び赤ペトの勧め(平成17年1月吉日)
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前回のコラムで、すでにミシェル・ペトリチアーニの音楽を知っている人と、ならば聞いてみようという方には誤解はないと思います。しかし、実際に聞かないで、身体の不自由に同情して感激しているのだと思われるのなら残念でございます。そこで、もう少し彼のことを話しておきたくなりました。
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俗に「ガラスの骨」という病気で、簡単に骨折し身長が子供の頃から伸びないミシェルは、生まれつき不運でした。けれど、まったく幸運なことに、彼は恵まれた音楽一家に育ちました。そして神は、音楽の天分を他の家族の誰よりも彼に与えたのでございます。彼は、恒に苦痛を友にしなければなりませんでしたが、大きな手と強い意志、そして貪欲な好奇心と陽気な性格を与えられました。
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ミシェルの演奏に誰もが驚くこと、それは見かけの異様さと音楽性の豊かさが、あまりにかけ離れているからです。しかし彼の奏でるジャズに馴染み、彼のことが少し解ってくると、彼の並外れた「音」そのものが彼の肉体や精神から生まれたことに再び驚き感動するのです。つまり、打楽器みたいな奏法は肉体の不自由さ故ですし、幸福感溢れる音の響きは、彼の性格そのものなのでございます。
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そして当然のことですが、音楽以外に彼自身を幸福にする手段はなかったのです。人なみな生活のできない彼は、人なみ以上の努力でレッスンをこなし、けして自らの境遇を嘆かなかったといいます。ミシェルより恵まれた身体を持ちながら、自らを嘆かずにはおれない私などは恥じ入るばかりでございます。
掌中のアート
午後5時55分
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