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子供の頃、熱心に観たのはプロレスでした。ジャイアント馬場とアントニオ猪木が仲良く競っていた時代です。それがいろんな団体に別れていって、興味も少しずつ薄れて行ったように思います。プロレスのオモシロイところは、レスラーが実に個性的であることです。私は『千の顔を持つ男―ミル・マスカラス』が大好きでございました。 |
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よく聞くプロレス評で「ストーリーが決まっていてインチキ」というのがあります。仮にそうだとしても、あれだけの時間を休まず技をくり出すのは大変なことです。少しでも格闘技の経験がある人なら、たとえ3分でも息を切らすほど苦しいことを知っているはずです。チョットは手加減したとしても、あんなに技を受けているのですから、思考力だってなくなってくるのでございます。 |
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私の個人的な感覚ですが、プロレスは宗教と似ています。宗教には苦行というものが付きものですが、それに近いのではないかと思うのです。プロレスは、まず相手の技を受けることから始まります。受け身の上手い選手がチャンピオンになるのです。それに、個性的であること(スタイルがある)が重要です。自己表現こそがプロレスの醍醐味で、ゆえにストレスを残さず長生きなのでございましょう。 |
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ですが、昨今はプライドやK1など観るものがたくさんあり、プロレスファンではなくなってしまいました。プロレスに夢中だった時代は娯楽が少なかったのです。庭の木に向かってフライングクロスチョップ(マスカラスの得意技)の練習をしていた頃を懐かしく思う今日この頃でございます。 |
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