 |
プロレスには実にユニークな選手が登場します。カブキやタイガーマスクなども印象的でした。プロレスでは、憎まれ役というか、反則技を含めて実力よりも悪役で人気があるレスラーもいます。プロレスの奥深さは、むしろ実力や個性だけでなく、状況によって自分の役を演じられるかが重要なのでございます。 |
 |
「狂乱の貴公子-リック・フレアー」をご存じでしょうか? 日本ではあまり人気はなかったと思います。しかし、長いことチャンピオンであり、経歴は輝かしいものがあります。日本にもよく来ていて、試合数もかなりこなしていました。金髪の見た目の派手さとはウラハラで、いつも日本のレスラーからヘロヘロにやられていました。それで、もう一歩でチャンピオンベルとが日本人の手にというところで、両者リングアウト負けになったのでございます。 |
 |
引き分けならチャンピオンが変わらないというルールは、プロレス好きなら承知のことです。それで日本のファンはガッカリし、リック憎しという感情が生まれます。それから暫くして、また日本でタイトルマッチが行われます。ところが、挑戦者は変わっているのに同じような試合運びで同じような引き分けで終わるのです。その次も、その次も同じシーンを見た時、フレアーの真の実力を知った気がして寒気がしました。実に絶妙で計算高くイヤなヤツでございます。 |
 |
プロレスは実社会の縮図だというのが私の感慨です。実力あり、反則あり、寝技あり、場外乱闘あり、演出ありの世界です。ルールをキチンとすればするほど偶然が支配します。オリンピックで嫌というほどそれを見させられます。誰にとっても公平なルールなど、本当はないのではございませんか。 |
 |