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40 サバ缶の勧め (平成18年9月吉日)
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テレビ番組の「最後の晩餐」という企画で、死ぬ前に食べたいモノはなにか? というシリーズがありました。私なら「トロロイモ」と答えます。山芋(ジネンジョならグー)をすりおろし、すり鉢で30分以上かけて滑らかにします。卵を入れ出し汁で味をととのえ、少し冷やして炊きたての麦ご飯にかけて食べます。秋田名産のトンブリ(ホウキの実で畑のキャビアと言われる)をトッピングすると、食感と味覚が絶妙です。作るたびに、自分で感動してしまうのでございます。

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山芋は高級品ではありませんが、スリコギ棒で丁寧にするのがポイントです。外で食べるものは、全てが手抜きですから手間ひまかけた麦とろは家庭でしか味わえません。今回ご紹介したいモノも店では絶対に出ない田舎料理です。夏バテで、胃腸も疲れ切った残暑の折、食べたくなるのが「夕顔、冬瓜」です。ところで皆さま、サバ缶を買ったことなどございませんでしょう? でも、スーパーで必ず百円程度で売っています。わずかな予算で、手間もかからず身体にやさしい、しかも意外なほど美味しい料理が味わえます。サバ缶は味付けのない、必ず水煮を用意して下さい。

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まずは基本の出し(昆布、かつお節、干し椎茸)をとり、みりんと醤油で味をととのえます。夕顔、または冬瓜の皮を落とし、好みの厚さ(6〜12mm)に切ります。出し汁でしばらく煮て、透きとおってきたらサバ缶を空けてほぐしながら汁まで全部入れます。再び沸騰してきたら水にといた片栗粉を入れて好みのトロミにします。ふだん料理をする人だったら簡単すぎる料理です。ちなみにこのレシピは北信濃では夏の定番です。夕顔か冬瓜さえあれば、どんな地域でも美味しく作れます。少しクセのあるサバの味と、さっぱりしている瓜のコントラストが引き立ち、ぴったりの相性なのでございます。

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ところで魚でなにが一番好きか? と問われたら鯖と答えます。塩サバは涙が出るほどの美味しさです。酢でしめても良いし、味噌で煮ても抜群でございます。それに「鯖の水煮」。シーチキンにはぜったいに負けません。しかし、クセの無いシーチキンに対し、サバは使い方が難しいのではないでしょうか。ただし、味がキマッタときの鯖は「目からウロコ」の美味しさになることを是非お試しいただければと思います。

掌中のアート
午後5時55分
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