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41 コマーシャルの勧め (平成18年10月吉日)
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まだ幼稚園に通う頃、近くの友達の家にテレビが来ました。そこで楽しみに観させてもらっていたのはポパイでした。生家にテレビが入ったのは小学生になってからです。古い家風でしたので、一番年下の自分にはまったくチャンネル権はありませんでした。好きな番組を存分に観たいという願望もありましたが、東京で一人暮らしを始めた時、テレビは持たないと決めました。テレビばかり観ていると、受動的な人間になると考えたためでございます。

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ですから、大学時代はテレビを観ていませんでした。結婚を機会にテレビを観るようになったのですが、観はじめるとそれなりにテレビが好きなことが解ってきました。多く観るのは報道番組、スポーツ、映画の順です。しかし、いちばん興味を持ってしまうのが、実はコマーシャルなのです。ドラマはどちらかというと苦手です。最近観たドラマは「チャングムの誓い」くらいです。コマーシャルでも短い時間の中にドラマがありますし、笑いもございます。おそらく、一本のドラマとコマーシャルを比べると、たった30秒のコマーシャルの方が、30分のドラマよりお金と時間をかけていることも多いのではないでしょうか。

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私の知人に自閉症の子がいまして、コマーシャルが始まるとテレビを消してしまうのです。しかたなく、コマーシャルのない番組だけを皆で観ることになります。なにがそうさせるのかと思っていますと、その子の記憶力は並外れていて、コマーシャルは一度でカンペキに覚えてしまいます。ですから、繰り返されるコマーシャルが不愉快なのかもしれません。なにか、現代社会に警鐘を鳴らしているようにも感じられます。私自身、コマーシャルが好きだから楽しくてしかたがないというのではありません。むしろ、最も腹を立てて観ているのもコマーシャルでございます。

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テレビ・コマーシャルは「時代を映す鏡」だと思うのです。今、なにが求められているか知ることができます。タレントやアーティストがどのように起用されるかを観ることで、本人の実力を計ることもできます。コマーシャルを観て、なにかを買いに走ったことはほとんどありませんが、コマーシャルの印象で買わなかったものは沢山あるような気もします。例えば「バスロマン」の宣伝の時に、私は目をつぶってしまうのでございますが・・・。

掌中のアート
午後5時55分
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