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大文字屋福助でございます。名前は大層ですが小さいものばかり蒐集しております。小さな町の小さな呉服屋の二階で生まれました。
小さい頃お手伝いさんに育てられたせいか偏屈なところが抜けません。顔に笑みを浮かべながら冷ややかに物事を見るところがございます。 |
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幼少の頃に店でよく見ていた福助人形を懐かしく思い、京都で手ごろなものを買い求めました。その翌日、神戸であの大震災に遭いました。震災を契機に物を捨て買い控える人が増えたのですが、震災まで私は実に簡素な生活をしておりましたので被害にはほとんど遭わなかったのです。あまのじゃくの私は、なぜか震災後どんどん骨董品を買い始めたのでございます。 |
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しばらくして、小さな人形と運命の出会いをしました。悩んだ末、二つめに買った福助は3cmに満たないものでした。これを買ってしまうと二つで終わらないと思ったら、それから止まらなくなり百個以上を蒐集しました。福助は顔が全てと言っても良いと思っていますが、二つめに買ったミニ福助の顔が一番好きでございます。 |
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小さいものが好きになったのもそれが一つの原因です。どこに行っても小さいものなら持ち帰り易いし、手ごろな値段で買えることもあります。しかし一番の理由は、小さいが故に作為が現れず作者の性格や技量が隠せないということです。そのことに気づかせてくれた小さなモノ達をお勧めしてゆく所存でございます。 |
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