しかし、なにかずっと引っかかるものがございました。飛行士サンテグジュペリが書いた有名な『星の王子様』は、近年その日本での翻訳権が切れて多くの訳本が出た為に静かなブームです。その中で、紺の布張りに金の押し文字の装丁が美しい池澤夏樹訳の『le Petit Prince』はお勧めです。“le Petit"はフランス語で小さなという意味ですから、直訳すると「小さな王子」になりますが、微妙なニュアンスを込めて『星の王子様』が正しいようです。物語は、王子さまが変な住人のいる様々な星を廻り、7番目に地球に辿り着きます。ヘビやキツネなどに出会った後、飛行機で砂漠に不時着した「ぼく」と出会うのです。