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いやはや、ルイ・ヴィトンの勢いは止まりません。かつてのブランド・ブームも凄かったけれど、今の海外ブランド・ブームはスケールが違います。村上隆とのコラボレーションも華やかで楽しいものです。新しいショップも次々にできて、この春のウインドーときたら村上隆の桜を使ったディスプレーも鮮やかでございました。 |
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モノグラムのデザインがジャポニズムなのは有名な話です。丈夫なことに定評のある技術力。1854年からの老舗のブランドで、なおかつ新しい斬新なデザインを生み出している。こんな神も仏もなく経済も振るわない日本で、安心して持てるのは誰もが認める伝統と信頼感なのでしょう。斬新なウインドーとは裏腹に、店内には堂々たる古い旅行鞄がデンと置いてあり、うっとりしてしまうのは当然でございます。 |
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このところ変な趣味にはまっております。電車に乗った時、同じ車両にルイ・ヴィトンのバックを幾つ発見できるか探すのです。これまで結構長い間その遊びをしていますが、一つも発見できなかったことはありません。ルイ・ヴィトンは、今や金券売り場にも置いてあり、貨幣と同じ価値があるのです。ルイ・ヴィトンが貨幣になったら、バックを持って買い物に行き、帰りはバックなしなんてことになるかもしれません。 |
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斯くいう私が、ルイ・ヴィトンを一つも持たないのは不思議なことではございません。だって、私にルイ・ヴィトンが似合わないのは明白なことですし、恐れ多くてショップに入ることもできないのです。早くブームが去って、誰もルイ・ヴィトンなど見向きもしない日がこないでしょうか。燃えないゴミの日かなにかに捨ててあったりして。村上隆のルイ・ヴィトンが捨てられるのを待っている私なのでございます。 |
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