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49アイドルの勧め(平成19年6月吉日)
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60 ガチョーンの薦め (平成20年5月吉日)
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今では観なくなった紅白歌合戦。子供の頃は楽しみでございました。とりわけ、クレージーキャッツの登場には、ワクワクしていました。なにがそれほど面白かったのか、今から考えるとギャグもさり気ないものだったように思います。昨年に植木等が亡くなって、再びその活動が注目されたところです。目立っていた植木より、私は谷啓がずっと好きでした。私にとって最高のギャグは「ガチョーン」で、おそらくそれを超えるものはないでしょう。

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ハナ肇をリーダーに、クレージーキャッツが動き出したのは、私が生まれるわずか半月前のことです。谷啓は翌年の56年、植木等は57年に参入しました。忘れてならないのは、メンバーのほとんどが、ジャズミュージシャンとしては相当のレベルであることです。谷啓は、現在でもトロンボーン奏者として音楽活動を続けているくらいです。そういう背景があって、くりだす笑いは息の詰まるようなものでなく、品の良さをかもしだします。むりやり笑わせるのではなく、つい笑ってしまう「引きのギャグ」なのでございます。

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さて「ガチョーン」ですが、これはマージャン牌をツモルときに思わず使ったかけ声だったようです。欲しい牌を引き寄せようとする念力です。ブラックホールみたいに、全てを飲み込んでしまおうとするパワーでございます。ギャグというのは、どちらかといえば飛び出していくものなのに、そこまで引かれるとは・・。谷啓の魅力は、センスの良い引きの笑いの中で、さらに引いたところに身を置いているところにあるのではないでしょうか。映画『釣りバカ日誌』、NHK『美の壷』での彼の存在感を考えれば良く解ります。
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毎年のように新しいギャグが一世を風靡し、そして消えてゆきます。それも良いのですが、少し悲しくもあります。「押してもだめなら引いてみな」のように、魅力とは押し出すだけでなく、引き込むパワーとも言えます。自分が自分がというこの時代だからこそ、クレージーキャッツの笑い、谷啓の魅力に注目してみましょう。道(タオ)の大極図が示すように「+」と「−」のバランスこそが、この世に平安を導くのでございます。

掌中のアート
午後5時55分
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