そば通なら「せいろ」ですか。酒の好きな人は日本酒でもやりながら、最後に汁はそば湯で全部いただきます。讃岐うどんが好きな人は、固めの麺に生卵の黄身を乗せて、ぶっかけで食すようです。そうめんは家で食べたいものですが、麺つゆはダシから作らねばいけません。麺はシンプルな食べ方が一番。暑い夏には、辛みの効いたトマトソースのパスタばかり食べていましたが、秋の頃からペペロンチーノにはまっているのでございます。

スパゲッティ・アーリオ・オーリオ・ペペロンチーノ。アーリオはニンニク、オーリオは油、ペペロンチーノは唐辛子です。初めて食べたとき、見かけからは想像できない美味さに驚きました。それに忘れられない名前。しかし、素材がシンプルなだけにごまかしはききません。麺の茹で加減が完璧で、塩、オーリーブオイル、ニンニク、唐辛子が良いことが条件。でも、それさえ揃えば、プロでなくとも感動のお味でございます。むしろ、そうめんと同じで、家で作ることに適した料理といえるのではないでしょうか。

それに、ペペロンチーノは意外に懐が深く、基本さえ守れば応用がきくのです。基本は、弱火でじっくり香りと辛みのエキスをオイルに移し、茹で汁を加える。パスタは1%の塩をいれた湯でアルデンテに茹で、炒めず麺と絡めるのです。イメージできる茸や野菜などを入れることはもちろんですが、冷蔵庫にある意外な食材も試してみると合うのでございます。ちくわ、油揚げ、ジャコ、もやし、ニラなど、和風や中華の食材もなかなかいけます。イタリアのペペロンチーノは、日本のお茶漬けのようなものというのが頷けます。

麺で忘れてはいけないのがラーメンです。めったにしませんが、家で作る時は鶏ガラからスープを取ります。さっぱりして自分好みになりますが、ラーメンは外で食した方が合理的です。値段の割に、凝ったスープがいただけるのですから。ただし、ほとんどのラーメン屋の麺はおいしくありません。自分で麺をうつような面倒はしなくとも、そうめん、スパゲティーならば結構いいものが手に入るのでございます。