「裸でなにが悪い」私もそう思いました。スマップの草薙君が公然わいせつ罪で逮捕された時の弁です。夜中の公園で、気持ち良かったのか悪かったのか、一人で裸になって騒いだ。現場に居ないので判りませんが、少しうるさかった程度でしょう。いったい、私たちが防寒や防御のため、あるいは職業を表すために服を着るなどの他に、人前で服を着なければならない理由はなんなのでございましょうか。

禁断の木の実を食べたアダムとイブが最初にしたことは、イチジクの葉で性器を隠すことでした。『裸のサル』のデズモンド・モリスによると、人は直立することで脳が発達したが、性器が丸出しになった。長い期間、男は狩りに出るので、女は必ず帰ってもらう必要があり、性を固有の財産として「つがい」の関係を維持しようとした。繁殖期をもたない唯一の哺乳類は、性の魅力を武器として繁栄してきたらしいのです。隠すことは、意識させること。見せないことが魅せることなのでございます。

以前、おもしろいコラムを新聞で読みました。米国のある女性が昼間に裸で料理をしていた。それを視た男に押し入られ強姦された事件があり、それは裸の女性も悪いという男性の意見。ところが、そのコラムに対し「強姦した男が一方的に悪いし、裸で料理するのは気持ちイイ。私もしている」という抗議が殺到したらしいのです。私も正直に言いますと、暑い夏に汗をかきながら裸で料理することがございます。特に、火を使った料理が一番にスリリングです。変な話ですが、体験から言って本当のことです。

お酒を飲むとなぜ気持ちイイのでしょう。(悪くなる人もいます)しかし、初めからお酒がおいしい人もいないでしょう。人は酒を飲むと意識が薄らぎ、体は火照ってきます。普段の緊張から解放される瞬間です。人間だから守らねばならない約束事を少しは忘れ、ただの生き物としての自分を感じるのかもしれません。酒を飲んで、裸で踊りだすのは定番中の定番。有名で人に好かれるのも大変でございますね。