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79 マントラの薦め (平成21年12月吉日)
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早めに前売り券を買って、行けなかったことはありませんか? だいぶ前のことで、映画の前売りを買い、気がついたら上映が終わっている。そんなことが二三度続き、以来買うのをやめました。ジャズを聴き始めた頃、マンハッタン・トランスファーのコンサートにどうしても行きたくて、無理をして手に入れたのに、その日に限って行けなくなってしまったのです。当時でも、観て聴いて楽しいと評判のグループでございました。

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男女各2名のジャズ・コーラス・グループが結成されたのは1972年。都会的で、卓越したボーカルとハーモニーを持つマントラは、70年代後半から80年代にかけて高い評価を受けました。親しみやすい音楽性で、ポップス分野でも人気を博し、夢中で聴いたのはそんな時代でございました。しばらく忘れていましたが、「THE MANHATTAN TRANSFER the chick corea songbook」というニューアルバムを聴いてみると、顔がほころぶほどの出来映え。知っている曲ばかりですが、新鮮さもあり驚きの完成度です。

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驚いたのはマントラばかりではございません。なにげに、朝のテレビ生出演を見て、上田正樹の「悲しい色やね」に釘付けになりました。断然に巧くなっているのです。急いで新しいアルバムを買うと、やはり素晴らしい。ついでですが、世良公則もイイ感じです。昔、一斉を風靡したアーティストが、懐かしの歌番組に出てきてもガッカリすることがしばしばです。日々の積み重ねで円熟味を増し、人間性も深まるのでしょうか、ボーカルに磨きがかかることがあります。私のような世代には、とても嬉しい発見です。

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凝りに凝ったステージで、でも歌はへたという有名なアーティストもいます。そんなのは興味ございません。しかし、ただ巧いだけでもつまらない。暗く小さなホールで、上田正樹をしみじみ聴きたい。華やかなステージのマントラを楽しみたい。でも、今そんな風に思っている人は少なくないでしょう。意気込んでチケットを手にすると、きっと行けなくなるのでは。あー、やっぱりおっくうになりそうです。

掌中のアート
午後5時55分
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